| ・時間さんさん(男性/51歳) 2012/01/09 12:19:13
 
 | 子供が幼稚園の年長の頃、覚えたてのひらがなで、 夕食の準備をしていた母ちゃんに
 一枚の紙を渡しました。そこには、覚えたてのひらがなで、
 せいきゅうしょ、ってかいてありました。
 食器洗い20円、お風呂掃除20円、部屋のかたずけ10円,合計50円請求します。
 それを見た母ちゃんは、少し考え、紙の裏に、何か書き始めました。
 せいきゅうしょ、あなたがおなかの中にいた時、無事に生まれる事だけを考え、ものすごく体に気を付け,ただただ無事に生まれる事だけを考えていた。請求金額0円、 幼稚園に入る前の冬、夜中に急に熱をだし
 病院を探し回り、夜間診療所に行き薬をもらい、朝まで熱が下がるまで
 看病した。請求金額0円、
 貧しかった夏、父ちゃんが母ちゃんに服でも買いなってボーナスを2万くれた。買い物に行って、ふとレジに並んだ時、買ったものはあなたのシャツ、下着、靴下、ズボン、自分のものは靴下2足組1つだった。
 請求金額0円、まだまだあるけど、ぜーんぶ合わせて 請求金額0円
 すると、母ちゃんから紙をとると 請求金額の上に大きく「へんさいずみ」ってかいて渡してくれた。
 紙をみながら、母ちゃんはほほえんでいました。
 そんな君が大人になっています。いまでも、大事な物入れのデズニーランドのお菓子の空き缶の中にその紙はあります。いつしか呼び方も、
 父さん、母さんにかわったけど、たぶん死ぬまで母ちゃんから
 君への、せいきゅうしょ、の金額は きっと 合計金額0円でしょう。
 《祝 成人》おめでとう・・・
 
 |